「ワット・サケート」は、バンコク市内を一望できる78mの小高い丘に建てられた、黄金の大仏塔で有名な第二級王室寺院です。
頂上には金色に光り輝く58mの仏塔が建っている為、タイの人達の間では、「黄金の丘(山)」タイ語で「プーカオ・トーン」と呼ばれ、親しまれています。
この寺院には、仏陀の遺骨が納骨され、各曜日毎の守護仏(仏陀の像)も祀られています。
今回は、バンコク市内からアクセス良好で、厳かな雰囲気のこちらの寺院をご紹介したいと思います。
目次
「ワット・サケート」とは?
「ワット・サケート」は、ラーマ3世の時代に旧都アユタヤにある「ワット・プーカオ・トーン」を模して造成が始まりました。
ラーマ4世の時代に仏塔を建て、ラーマ5世時代に仏塔の内部に仏舎利(ブッダの遺骨)が奉納されて完成しました。
78mの丘は人工で長い年月をかけ作られています。
寺院内はどんな様子?
チケット売り場で入場券(料金50B)を購入し、一歩ずつ植物の生い茂る階段を登って行きます。
植物の手入れが行き届き、頭上からはミストシャワーが注がれ、探検気分になります。
仏陀や大地の女神「プラ・メー・トラニー」の像なども祀られていました。
「プラ・メー・トラニー」は、自分の髪を絞って洪水を起こし、魔物から仏陀を守ったとされている女神です。
途中休憩できるベンチや鐘、ドラもあり、皆、次々に鐘を鳴らしたり、記念写真を撮っていました。
344段ある螺旋階段を上ると、黄金の丘の上に辿り着きます。
階段は段差が小さいので登りやすく、周りを見渡しているうちに簡単に登れてしまいます。
頂上には仏塔を囲むような形の回廊があり、そこからは市内を一望出来、とても良い眺めです。
回廊内の様子は?
回廊内には何体もの仏像が祀られています。
仏像に金箔を貼り、花を供え、お祈りする人の姿もありました。
そして曜日ごとの 守護仏が神々しく並んでいます。
曜日ごとの守護仏が並ぶ「ワット・サケート」
血液型と同じような感覚で、タイの人達は、自分が生まれた日(誕生曜日)が何曜日かを皆知っています。
曜日毎の守護仏(仏陀の像)が並んでいるお寺では、自分の誕生曜日の守護仏の前で、熱心に拝んでいる人の姿が見られます。
≫ 曜日の計算はこちらのサイトでできます 曜日計算
曜日ごとの守護仏のルーツとは?
タイの人達が信仰している、曜日毎の守護仏は、インドのバラモン教の占星術に基づく9人の神がそのルーツといわれています。
この9神が仏教と融合した際、仏陀の像(仏像)に変化し、そのうち8体が曜日毎の守護仏(水曜日は昼と夜の2体)に、残りの1体が毎日の守護仏となったと言われています。
守護仏には、それぞれ仏陀の生涯を重ね合わせたストーリーがあり、タイの人達は、これをとても大切にしています。
曜日ごとの守護仏の紹介
タイでは、曜日毎にその曜日の色や数字、守護仏などが決まっています。
誕生曜日の色のものを身につけるようにしたり、お寺で守護仏にお祈りすると、幸福がもたらされると信じられています。
タイの曜日仏陀(日曜日)
- タイ語:ワン・アティット
- 曜日の色:赤
- 曜日の数字:6
- 守護方角:北東
- 守護動物:鳥(ガルーダ)
瞬きせず見つめる立像
両手をお腹の上に組んだ姿(右手が上)で菩提樹を見つめている立像。
タイ語でプラ・プッタループ・パーンタワーイネートと呼ばれています。
仏像のストーリー
仏陀が菩提樹の下で、7日間の瞑想を行ったときの姿で、菩提樹の前に立ち瞬きもせず見つめ続けた(目を献上する)といった意味があります。
タイの曜日仏陀(月曜日)
- タイ語:ワン・チャーン
- 曜日の色:黄
- 曜日の数字:15
- 守護方角:東
- 守護動物:虎(トラ)
飢餓・日照りを制止する立像
左手を下ろし、右手のひらを胸の辺りで外側に向けて、飢餓・日照りを制止する立像。
タイ語でプラ・プッタループ・パーンハームサムトーンと呼ばれています。
仏像のストーリー
昔、川沿いに2つの国があり、飢餓・日照りの影響で、水を巡って争いを始めた為、仏陀が2国間の争いを制し、人々を救った時の姿を意味しています。
タイの曜日仏陀(火曜日)
- タイ語:ワン・アンカーン
- 曜日の色:ピンク
- 曜日の数字:8
- 守護方角:南東
- 守護動物:ライオン
寝釈迦像
右手を枕の上に乗せ、手のひらを開いて頭を抱え、左手は腰の辺りまで伸ばし、目を閉じ両足を揃えて横になった寝釈迦像。
タイ語でプラ・プッタループ・パーンサイヤートと呼ばれています。
仏像のストーリー
仏陀が涅槃(ニルヴァーナ)の境地に達し、悟りを開いたことを意味する姿。
また、入滅したときの姿とも言われています。
タイの曜日仏陀(水曜日)午前
- タイ語:ワン・プゥート(グランワン)
- 曜日の色:緑
- 曜日の数字:17
- 守護方角:南
- 守護動物:牙がある象
鉢を抱える仏像
両手でお布施の鉢を前に抱え、足を揃えた立像。
タイ語でプラ・プッタループ・パーンウムバートと呼ばれています。
仏像のストーリー
仏陀がお布施をする姿を意味しています。
シャカ国の王子であった仏陀が修行の旅に出る際、王様(父親)が食料を持たせたことが起源とも言われています。
タイの曜日仏陀(水曜日)午後
- タイ語:ワン・プゥート(グランクゥン)
- 曜日の色:黒
- 曜日の数字:12
- 守護方角:北西
- 守護動物:牙がない象
象と猿から献上物を受け取る仏像
石の上に座り、両手のひらを足の上に置き外側に向けた座像。
その下には水を献上する象と、蜂の巣を献上する猿の姿があります。
タイ語でプラ・プッタループ・パーンパレーライと呼ばれています。
仏像のストーリー
仏陀の教えに誰もが耳を傾けなかった頃、仏陀は森林に一人わけ入り、動物たちに語りかけ説法した時の姿。
両脇の象と猿はそのときの様子を意味しています。
タイの曜日仏陀(木曜日)
- タイ語:ワン・プルハット
- 曜日の色:オレンジ
- 曜日の数字:19
- 守護方角:西
- 守護動物:鼠
瞑想する座像
左手を下、右手を上に置いて手のひらを組み、右足を上に胡座をかいて瞑想する座像。
タイ語でプラ・プッタループ・パーンサマーティと呼ばれています。
仏像のストーリー
仏陀が瞑想の後、悟りを開いたとされる日を表しています。
タイの曜日仏陀(金曜日)
- タイ語:ワン・スゥック
- 曜日の色:青
- 曜日の数字:21
- 守護方角:北
- 守護動物:土竜(モグラ)
仏法、伝道について瞑想する仏像
右手を左手の上に置き、胸元で交差させ、仏法・伝道について瞑想する立像。
タイ語でプラ・プッタループ・パーンラムプーンと呼ばれ ています。
仏像のストーリー
仏陀が悟りを開き、これから人々に説法へと赴く前の姿と言われ、法を説くことに対する自問自答、確認作業の様子を意味しています。
タイの曜日仏陀(土曜日)
- タイ語:ワン・サオ
- 曜日の色:紫
- 曜日の数字:10
- 守護方角:南西
- 守護動物:蛇(ドラゴン)
ナーガの保護で瞑想する座像
右手のひらを上に手を組み、背後にいる7本頭の蛇(ナーガ)に保護されて瞑想する座像。
タイ語でプラ・プッタループ・パーンナークプロックと呼ばれています。
仏像のストーリー
仏陀が7日間の瞑想に入っているときに雨嵐が吹き荒れましたが、菩提樹の葉がナーガ(7本頭の蛇)へと変身し、仏陀を守ってくれたときの様子を意味しています。
タイの曜日仏陀(日々の仏像)
- タイ語:トゥック・ワン
- 曜日の色:金色
- 曜日の数字:12
- 守護方角:中央
マーラに勝利した姿の座像
魔王マーラに勝利したときの姿と言われ、右手は右足の上に、左手は禅を組むように自然に座位した座像。
タイ語でプラ・プッタループ・パーンマーラウィシャイと呼ばれています。
回廊の中の階段を上ると仏塔が現れる!
回廊の中に 幅の狭い階段がありそこを登ると目の前には黄金の仏塔が現れます。
360度目の前を遮るものがない見晴らしの良い場所ですので、ここからはバンコク市内の景色が一望出来ます。
「ワット・サケート」のアクセス方法は?
タクシーで行く方法と、センセープ運河・エクスプレスボートで行く方法があります。
タクシー
フアランポーン駅からタクシーで10分ほどの場所にあります。
サイアムエリアからですと15分程度です。
運転手に「プーカオトーン(黄金の丘)」と伝えると通じます。
センセープ運河・エクスプレスボート
「パーンファー・リーラート」桟橋から徒歩2分。
船着場から寺院が見えています。
バンコク市内からアクセス良好、バンコク市内を一望できる黄金仏塔
いかがでしたか?
バンコク市内を一望できる「ワット・サケート」は、高さ約78mの人工の小高い丘の上にそびえ立つ、黄金仏塔が目を引く寺院です。
空を近くに感じる回廊からのバンコクの眺めは最高ですよ。
また、曜日ごとの 守護仏にお祈り出来る貴重なですので、是非、足を運んでみて下さい。
- 住所:Baan Bat Rd, Pomprab Sattru Pai, Bangkok 10100
- アクセス:パーンファー・リーラート桟橋から徒歩2分
- 営業時間:8:00~17:00
- 定休日:無休
- 仏塔入場料:50B