ロイクラトンは毎年10月か11月の満月の夜に行われる、水の精霊に感謝するタイで最も大きな祭りの1つです。
「ロイ」とは浮かべる、流す「クラトン」とは灯篭という意味があります。
灯篭は直径が10〜20cmほどで、材料にはバナナの葉と幹を使い、ろうそくと線香を立て、花とコインを添えて水に流します。
中には、自分の髪の毛や切った爪を厄落としに乗せる人もいます。
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「ロイクラトン」とは?
起源ははっきりしていませんが、インドの行事が伝わったとか、水の精霊に感謝の気持ちを示す行為であるとか、一年の厄を流し去るための儀式だとか色々な説があります。
日本のように死者の魂を弔って、灯籠やお盆のお供え物を海や川に流す灯篭流しや、精霊流しとは違う性質のものです。
現在では、季節も良くなる10月か11月の満月の夜に、川の女神「プラ・メー・コンカー」に感謝の気持ちを捧げ、無病息災を祈る、タイ全土で行われるお祭りになっています。
※2018年は11月22日(木)の予定です。
「ロイクラトン」の発祥はスコータイ
700年前のスコータイ時代のリタイ王の治世に、王妃がバナナの葉をハスの花に型どった灯篭を作り、川の女神への祈りを捧げたのが始まりです。
スコータイでのお祭りは、満月が空高く上がる頃に始まり、皆、灯篭を持って水際に行き、ろうそくと線香に火を付けて願いを込め、水に浮かべて遠くへ流していました。
現在のスコータイでは、日中から美人コンテストや、色々なデザインの灯篭のパレードなどが行われ、夜は遺跡公園を舞台に大規模な「ロイクラトン&キャンドルフェスティバル」が開催されています。
バンコクの「ロイクラトン」
街全体が「ロイクラトン」祭り一色になり、チャオプラヤー川沿いだけでなく、公園の池や、市内を巡る水路などで灯篭を流し、祈りを捧げる人たちの姿が見られます。
「ロイクラトン」祭りにちなんだ催しが、ホテルやデパートなどでも行われ、家族やカップル、友人と一緒に楽しめ、この期間、街は華やかに彩られています。
バンコクの定番スポットとして、アクセスの良い「チャオプラヤー川」や「アジアティーク・リバー・フロント」、「ルンピニー公園」、「ベンチャシリ公園」などがおすすめです。
チェンマイの「ロイクラトン」
チェンマイの「ロイクラトン」祭りは「イーペン」と呼ばれ、「コムローイ」という小型熱気球を空に放つことで有名です。
これは元々、雨季の終盤で冬の始まりであるイーペン(北部の言葉で陰暦2月の満月という意味)の伝統行事だったものが、現在は「ロイクラトン」祭りとほぼ同時期に開催されるようになったことに由来します。
お祭りの当日は、天の仏陀に感謝の気持ちを捧げ、日々の生活の幸福を祈り、厄払いをすると言う意味を込めて、コムローイを夜空に放ちます。
数千個のコムローイが夜空に舞う光景は幻想的で、「塔の上のラプンツェル」の名場面のモデルとして起用されるなど、心が揺さぶられる程の美しさです。
一度は体験したい「ロイクラトン」
いかがでしたか?
タイでは「ロイクラトン」の時期になると、スーパーなどいたる所で灯篭などのグッズが売られます。
灯篭流しは、タイ全土の海や川、池などで行われますので、その時期にタイに行かれる方は、是非、イベントに参加してみて下さい。