バックパッカーの聖地と呼ばれ、世界中の旅人が集まる「カオサン通り」はわずか300mの通りにカジュアルなゲストハウス、ショップ、レストランが並んでいます。
旅人の熱気があふれ、異国情緒を感じるこのエリアの魅力をお伝えいたします。
目次
「カオサン」とは?
バンコク最大の安宿街で、バックパッカーの聖地と呼ばれるカーオサーンは王宮広場前から北に向かうチャックラポン通りにあります。
「カオサン」とは精米という意味でこの通りの名は「トゥローク・カオサン」つまり「精米小路」から来ています。
ラマ5世時代に現在の「カオサン通り」が作られ、かつては精米を売る店が並んでおり、その際に以前からあった精米小路という細い道の名称がそのまま用いられたようです。
その後、精米以外のものも販売する商店街となり、1983年バンコク遷都200年記念祭が行われたことから、バンコクを訪れる外国人観光客が増え、しばしば映画のロケ地として選ばれるようになりました。
ロケ隊が「カオサン」に来た時、民家の空き部屋を借りたことをきっかけに、空き部屋を貸し出すゲストハウスが現れ、「カオサン」はバンコク最大のゲストハウス街として変貌を遂げたのです。
簡素なゲストハウスの価格は安価で,世界中からバックパッカーが押し寄せるようになり、通りには旅行者向けの安宿やレストラン、バーなどが軒を連ね「バックパッカーの聖地」と呼ばれるようになりました。
ひと昔前はタイ国内だけでなく、ミャンマーやカンボジア、インド、ネパールなどを旅行するバックパッカーは、まず「カオサン」を拠点とし情報収集や航空券の購入をする事が多かったのですが、近年では全てをネットで行うようになり、ピーク時より客足は少なくなりました。
しかし、ネットで予約の出来ない、長距離バスや現地発のツアーを目当てに「カオサン」を訪れるバックパッカーもおり、今でも根強い人気があります。
また、欧米人好みのカフェやパブ、クラブを続々とオープンさせ、バックパッカー以外の観光客や、タイの若者の呼び込みに成功し、盛り上がりを見せています。
「カオサン」は物価の安いイメージがありますが、多くの観光客が訪れるようになり、以前とは対象にしている客層が変わって来た為、宿、マッサージ店は安いですが、レストランや屋台などは市内と同じ位の価格設定になっているようです。
エキゾチックな街「カオサン」での過ごし方
現在の「カオサン」は安宿が並ぶバックパッカー街としてだけでなく、外国人旅行者向けのショップやレストランが並び、エキゾチックな通りに大変身しています。
昼は静かな街で観光客が周辺を散策し、パッタイの屋台やカフェでくつろぐ姿が見られ、安価な路上マッサージ店も多く、気軽にタイ式マッサージが受けられますので、歩き疲れた観光客がマッサージ店で休息し、ゆったりとした時を過ごしているようです。
静かな昼間とはうって変わって、夜になるとクラブやパブがオープンし、大音量のダンスミュージックを流し、国内外の若者が集う夜遊びスポットの色合いが濃い街に変わります。
昼の「カオサン」おすすめスポット
ファッションアイテムが揃う「バーンラ厶プー市場」
「カオサン通り」の北側にはファッション関連のアイテムが揃った「バーンラムプー市場」があります。
朝9時までは生鮮食料品や惣菜を売る朝市が開かれ、それ以降は服飾雑貨が売られる市場となります。
旅行者の間では安価な値段でリゾートファッションが買えると人気です。
「カオサン通」りから徒歩すぐの場所にあり、服飾雑貨の店は毎日10時から18時頃までオープンしています。
- 住所:Chakrapongse Rd. Talad Yod, Pranakorn,Bangkok 10200
- アクセス:カオサン通りから徒歩5分
- 営業時間:8:30~18:00
- 定休日:なし
タイ雑貨店「ロフティバンブー」本店
カレン族、モン族などタイ北部の山岳民族が手作りした色鮮やかな雑貨が人気の「ロフティーバンブー」本店は「カオサン」にあります。
日本人経営のオリジナル雑貨は、個性的で手に取ってみたくなる商品が並んでいます。
洋服、バッグ、財布、アクセサリーなど小物が売られており、MBKセンター2階とBTSプロンポン駅近くにも店舗があります。
- 住所:1st Fl. Buddy Hotel 265 Khao San Road, Phranakorn,Bangkok 10200 Thailand
- アクセス:カオサン通り警察署前から徒歩5分
- 営業時間:10:30~19:30
- 定休日:なし
広いテラスがある「バディ・ビア・ワインバー&シーフード・レストラン」
中庭に広いテラス席を持つバー&レストラン。
店内はきれいで入りやすく軽食、タイ料理、イタリアンなどの料理の他11種の各国ビールもあり、朝食からランチ、ドリンクまで楽しめます。
中はビアバーとなっていて、暑くなければリゾート風の広いテラス席がおすすめです。
- 住所:108, Khaosan Rd. Talat Yot, Phra Nakhon, Bangkok 10200, Thailand
- アクセス:カオサン通り警察署前から徒歩4分
- 営業時間:10:30~翌2:00
- 定休日:なし
勝利を祈る寺院「ワット・チャナ・ソンクラーム」
アユタヤ時代から市民に信仰されている勝利を祈る寺院。
チャナは「勝つ」ソンクラー厶は「戦争」を意味し、この寺院は勝負事や困難に打ち勝つ必勝祈願の寺院と言われています。
ラマ1世の弟がビルマ侵攻の際に戦勝祈願をしたお寺で、ビルマの侵攻を撃退出来たことからタイの人が勝負事の前にお参りする歴史ある寺院ですので、是非参拝してみてください。
- 住所:Chakkraphong Rd, Chana Songkhram, Phra Nakhon, Bangkok, 10200
- アクセス:カオサン通り警察署前から徒歩1分
- 営業時間:8:00~16:00
- 定休日:なし
「カオサン」は夜が面白い
夜は通りに面したカフェがパブに変わり、クラブから大音量の音楽が鳴り響いてビールを片手にした、若者で賑わう無国籍タウンとなります。
道は大勢の人で埋まりパフォーマーも出現し、その間をバックパックを背負った旅行者が行き交う光景を目にします。
「カオサン」の巨大クラブ「ザ・クラブ」
「カオサン」にあるクラブの中で地元客からも観光客からも一番人気のクラブ。
DJが日替わりし、週替わりイベントなども行われ音楽はハウスやEDMがメインとなっています。
レーザーやスモークなどの派手な演出もあり、たまに海外の人気DJが来ることもあるようです。
ドリンクは100B~、カクテル類は160B~と手頃な値段で、ドレスコードも無く入りやすい雰囲気ですが、週末は大混雑しますので注意が必要です。
※タイのクラブでは、年齢確認をし、20歳以上でないと入店出来ません。年齢チェックの為に、パスポート等のIDチェックが必要となります。
- 住所:123 Khao San Road , 10200 Bangkok
- アクセス:カオサン通り警察署前から徒歩2分
- 営業時間:21:00~翌3:00
- 定休日:なし
2015年オープンの話題のクラブ「スーパー・フロー・ビーチクラブ」
壁のないオープンな造りの大型クラブ&パブ。
リゾート風のフロアにはテーブルの下に白砂を敷き詰めたエリアもあり、裸足になって解放的なビーチバー気分が楽しめます。
また4つのバーカウンターがあり、椅子がブランコになっている席などもあり、遊び心が満点のクラブです。
シンハービールが100Bと良心的な価格でした。
※タイのクラブでは、年齢確認をし、20歳以上でないと入店出来ません。年齢チェックの為に、パスポート等のIDチェックが必要となります。
- 住所:9 Khaosan Road, 10200 Bangkok
- アクセス:カオサン通り警察署前から徒歩1分
- 営業時間:11:00~翌2:00
- 定休日:なし
一軒家レストラン「トムヤムクン」
「スーパー・フロー・ビーチクラブ」 の奥には本格的なタイ料理を楽しめる店「トム・ヤム・クン」があります。
もとは約100年前に王族のために建てられた邸宅を改装したレストランで、お店の名前にもなっているトム・ヤム・クンが絶品です。
こちらのお店ではスープを野菜ベースとしていて、そこにエビ味噌を入れて仕上げるため濃厚でマイルドなエビ風味が楽しめます。辛さは控えめで大きなエビが3匹入っていますので、プリプリのエビを存分に楽しみましょう。
- 住所:9 Khaosan Road, 10200 Bangkok
- アクセス:カオサン通り警察署前から徒歩1分
- 営業時間:11:00~翌2:00
- 定休日:なし
「カオサン通り」周辺の路地裏散歩
川沿いのおしゃれナイトスポット
プラ・アーティット通り
チャオプラヤー川と並行して走るプラ・アーティット通りにはおしゃれでモダンなカフェやレストランが並び、夜は雰囲気のあるバーのネオンが輝いています。
プラ・アーティットとはタイ語で「太陽」を表し、タイの名門大学タマサート大学が近いので、このエリアは学生で賑わい、個性的な内装の店やライブバーもあります。
「カオサン」裏の密かな注目エリア
プラ・スメーン通り
ショップハウスを改装したオシャレなショップやカフェが点在し、フォトギャラリーや旅行関係の書店もあり密かな注目エリアとなっています。
また、チャオプラヤー川とバーンラムプー運河(プラ・スメーン通りを平行に流れている運河)が交差する場所にバンコク遷都の際の防衛の砦、「プラスメーン砦」があります。
この運河の内側はバンコク発祥の地で、軍事的にも重要な場所とされ、白い立派な砦が築かれました。現在、砦周辺は整備され、きれいな公園になっています。
のんびり過ごせる「裏カオサン」
ランブトリ通り
「カオサン通り」の一本北側の通りで「裏カオサン」と呼ばれる通り。ゲストハウスやカフェ、レストランなどが並んでいます。
フードカーや屋台もたくさんあり、人は多いですが「カオサン」よりも、落ち着いた雰囲気がありゆっくりとくつろげる場所です。
カオサン通りのソンクラーンも見ものです
いかがでしたか?
「カオサン通り」は今、タイの旧正月であるソンクラーンを祝う場所としても有名になっています。
ソンクラーンは4月上旬のタイで最も暑い盛りに新年を祝う行事で、元々は目上の人の手に水をかけてお清めし新年を祝うものでしたが、その後、大々的に水を掛け合う祭りとなり現在は「水かけ祭り」とも呼ばれています。
このソンクラーン中に行われた水の掛け合いが「カオサン」に滞在する外国人の興味を引き、1990年頃から祭りも盛大になり、2000年頃からはバンコクにおけるソンクラーン祭りのメイン会場の一つとなりました。
ソンクラーンの時期は世界中から観光客が訪れ、皆ウォーターガンを持ち、激しく楽しく水を掛け合いタイの旧正月を祝うイベントに発展しています。