1351年にウートン王によって王朝が開かれ、400年以上にわたって栄えた古都「アユタヤ」。
四方をチャオプラヤー川と、その支流に囲まれた、その王朝の面影は、今も多くの遺跡や寺院に残されています。
今回は、バンコクから北へ76キロの場所にあり、気軽に日帰り観光も出来る「アユタヤ」をご紹介いたします。
目次
「アユタヤ」とは?
ウートン王が興こした「アユタヤ王朝」は、1351年から約400年間にわたり、東南アジアで最も繁栄した王国として名を馳せていました。
市内には、今も当時の繁栄と衰退を物語る数々の仏教遺跡が点在し、その中心部は、1991年「古都アユタヤ」として、ユネスコ世界文化遺産に登録されています。
チャオプラヤー川とその支流に囲まれ、古くから水運の便を活かした「水の都」として栄え、15〜17世紀にはペルシャや、ヨーロッパとの貿易を行うアジア屈指の国際都市へと成長。
外国人も多く居住する国際都市になり、日本人街も生まれています。
このように「アユタヤ」は、商業と文化の中心地となり、寺院や仏像も多く作られていましたが、1767年にビルマ軍(現在のミャンマー)の占領により、都市や、寺院は破壊し尽くされ、王朝は終わりを告げました。
街は破壊され廃墟と化しましたが、現在、貴重な遺跡郡は、歴史公園として整備されており、寺院や宮殿など一部修復され、当時の栄華を垣間見る事が出来ます。
「アユタヤ」寺院の紹介
「アユタヤ」の寺院遺跡には、カンボジアのアンコールワットと同じ、クメール様式の建築法で建立された寺院があります。
寺院中央の大きな仏塔には、古代インドにおける世界観の中心スメール山(須弥山)を表し、周囲の小さな仏塔はスメール山を囲む、山や海を表現しているようです。
その他、釣り鐘型のスリランカ様式の仏塔も建立され、段差のある構造は仏教思想を体現化し、仏塔内には王の遺骨が納骨されています。
ワット・ヤイ・チャイ・モンコン
1357年に初代ウートン王が、セイロン(現在のスリランカ)から戻った留学僧の瞑想の為に建立した寺院。
中でも、1593年に21代目のナーレースワン王が象に乗り、ビルマ王子と一騎打ちし、勝利した記念に建てられた高さ72mの戦勝記念塔が有名です。
ちなみに、ナーレースワン王は、幼少期にビルマ軍の人質になった経験もあり、人質時代に、戦術、戦闘を学び、タイに戻った後、タイの国技「ムエタイ」を生み出した、偉大な王としてタイ国内で崇められています。
ワット・ヤイ・チャイ・モンコンは、仏塔を中心に黄色い袈裟をまとった仏像がずらりと並び、巨大な涅槃仏も安置されており、見応えのある寺院です。
- 住所:Khlong Suan Phlu Phra Nakhon Si Ayutthaya Amphoe Phra Nakhon Si Ayutthaya
- 営業時間:8:00〜17:00/無休
- 料金:20B
ワット・プラ・マハタート
1374年に3代目の王によって建立された寺院。
1767年にビルマ軍に破壊されるまで、建設や修復を続けた寺院で、高さ40m以上の仏塔がありましたが、現在はレンガの土台が残るのみとなっています。
ワット・プラ・マハタートには、頭部を切り落とされた仏像が並んでいますが、当時、仏像の頭部には、金塊が埋め込まれており、その金塊を取り出す為、ビルマ軍が頭部を切り落としたのです。
ビルマ軍の破壊の凄まじさを物語るこちらの寺院では、1956年にタイ政府の文部省芸術局が仏塔跡地の掘削調査を開始したところ、地下17メートルの場所から数々の黄金仏や宝飾品などが発見され、話題になりました。
これらの品は、現在、チャオ・サン・プラヤー国立博物館に展示されています。
また、「アユタヤ」のシンボルとして有名な、菩提樹の根に囲まれた仏頭も必見です。
切り落とされた仏頭に菩提樹の根が絡まって、自然とこのような形になったと言われています。
特別な場所ですので、記念写真を撮る際は、自分の頭が、仏頭よりも高くならないように、かがんで撮るように注意して下さい。
また、頭の無い仏像に、自分の頭を乗せて写真を撮るのは厳禁とされています。
- 住所:Tha Wasukri Phra Nakhon Si Ayutthaya
- 営業時間:8:00〜18:00 無休ライトアップ19:00〜21:00
- 料金:50B
ワット・プラシー・サンペット
「アユタヤ」王朝初代ウートン王が、最初の王宮を建立した場所。
しかし、火災により焼失したため、ラマティボディ2世により、その跡地に王室を守護するための寺院が建設されました。
1491年には王の遺骨を納めるための3基の仏塔と、総重量171kgとも言われる金で覆われた仏立像が建立されましたが、ビルマ軍によって溶かされ、持ち去られてしまいました。
今では、白く風化したスリランカ様式の仏塔が3基残るのみとなっていますが、タイの最も重要な王宮建築物で、バンコク王宮のモデルにもなっています。
- 住所:Amphur Muang, Ayutthaya 13000
- 営業時間:7:00~18:00、ライトアップは19:00~21:00
- 料金:50B
ワットプラシーサンペットの近くには、象乗り体験が出来る施設「アユタヤ・エレファント・キャンプ」があります。
象と触れ合えるこのスポットでは、 園内だけでなく、遺跡の近くまで象乗りするコースもあります。
キュウリやバナナなどの餌やりをしたり、可愛いらしい象の姿を満喫出来る施設です。
- 住所:タイ, Thanon Pa Thon, Phra Nakhon Si Ayutthaya District, Phra Nakhon Si Ayutthaya 13000
- 営業時間:8:30〜16:30
- 定休日:なし
バンコクから日帰りできる世界遺産 アユタヤ
いかがでしたか?
バンコクから日帰り観光が出来る「アユタヤ」は、バンコクとはまた違った魅力があります。
各旅行会社では、「アユタヤ」の有名寺院巡りと、象乗り体験がセットになったオプショナルツアーが販売されています。
「アユタヤ」までクルーズ船で行くプラン、水上マーケットに立ち寄るプラン、夜のライトアップされた寺院を楽しむプランなどもあります。
中でも、ライトアッププランは人気で、ライトアップされた寺院は、最盛期の栄華を取り戻したかのように、黄金食に光輝きます。
「アユタヤ」は様々な楽しみ方がありますので、皆さんも当時の繁栄した様子を思い描きながら「アユタヤ」散策をしてみませんか?