タイの人は、象を他の動物以上に愛し、尊んでいます。
象はタイ語で「チャーン」と呼ばれ、タイには象学校、象病院、象保護財団があり、象は国家のシンボルです。
日本が馬で戦をしていた頃、タイでは象を使って他国と戦っていた歴史もあり、タイの人達にとって、象は優しさよりも、強さと力の象徴になっています。
目次
タイの象の特徴
1980年代まで、林業を中心に物資の輸送や、丸太運び、数多くの仕事で使われていたタイの象。
涼しい気候を好み、強い日差しに弱く、体調を崩しやすい為、仕事は午前中にさせ、午後は休ませるなど体調を気遣い、3日に1度ほど休息を取らせていました。
あまり重労働をさせると具合が悪くなり、タイの暑季(3〜5月)は、飼い主が、奥深い森へ象を休息に連れて行く程、デリケートな動物です。
森林伐採を国が禁じた為に、林業の仕事がなくなった現在では、象は観光客を乗せる仕事をするようになりました。
象使いの指示のもと、観光地で観光客を背中に乗せ、大活躍の象ですが、寿命は普通80年と言われていますので、一人の象使いがほぼ一生をかけて一頭の象と生活を共にすることになります。
タイの象は、アジア象(インド象とも言う)で、体が大きく凶暴で人に懐かないアフリカ象とは違い、ふた回りほど体が小さく、人によく懐き、利口で訓練が出来るのが特徴です。
象の戦闘能力は高い!
昔は、ジャングルに住む野生の象を、象使いたちが飼い慣らし、戦争の時は騎馬隊ならぬ、騎象隊として訓練し、戦地に赴いていました。
象は足が速く、小さいけれど遠くまで良く見える目で敵を見つけ突進し、鼻と牙を武器として使い戦います。
象の戦車のような破壊力は凄まじく、戦いの中でなくてはならない重要な存在でした。
現代の観光客を背中に乗せ、可愛いポーズを取ってサトウキビをねだる象からは想像も出来ない姿です。
幻の白い象
タイでは白象は仏陀の生まれ変わりとされていて、白象が発見されるとすぐに国王に報告されていました。
国王だけが飼うことが出来る神聖な動物と定められた白象。
その姿は真っ白というわけではありませんが、色素が抜け美しい姿をしており、専門家が鑑定して、定められた容姿、顔つき、性質でなければなりません。
鑑定の結果、見事本物の白象であれば、大々的な儀式と共に王様に引き渡されます。
前タイ国王のプミポン王は11頭の白象を所有しており、3頭集めるだけでも上出来とさていた所、11頭も集めており、偉大さを称えられていました。
バンコクの近くで象に会える場所は?
サイアムニラミットで象と記念写真
バンコク中心部から近い地下鉄の「MRTタイカルチュラルセンター駅」から徒歩15分の(無料送迎車あり)場所にある、タイの古典舞踊ショーが見られる「サイアムニラミット」では、民俗村風の施設内に親子の象がいて、餌やり体験が出来ます。
古典舞踊ショーを見る前に、象と触れ合え写真も撮れ人気です。
- 公演時間:80分
- ショータイム:20:00~21:20
- 定休日:なし
- 料金:大人1,000B子供850B
- 住所:19 Thiam Ruam Mit Rd, Khwaeng Huai Khwang, Khet Huai Khwang, Krung Thep Maha Nakhon 10310
- アクセス:MRTタイカルチュラルセンター駅から徒歩15分(無料送迎バスあり)
サムットプラカーン・クロコダイル・ファーム&ズーのエレファント・ショー
その他、バンコク市内からタクシーで1時間(料金:300〜400B)の場所にある 世界一のワニの養殖数を誇る施設「サムットプラカーン・クロコダイル・ファーム&ズー」 で象に出会えます。
ワニの他に虎や象、孔雀なども飼育されており、「エレファント・ショー」も開催されます。
ショーでは、象がボールを蹴ったり、決めポーズを作ったり、お絵かきをする姿も。
餌やりや象乗りも一周3分弱ですが、50Bで体験出来、象と触れ合える良い施設です。
- 住所:10280 555 moo 7, taiban,Amphur Muang ,Samut Prakan
- アクセス:バンコク市内からタクシーで1時間(300~350B)
※BTSサムローン駅からタクシーで約30分(100~150B) タクシーに乗る際は「クロコダイルファーム」と言っても通じない運転手もいますので、「ファーム・チョラケー・サムットプラーカーン」と言ってみて下さい。チョラケー[]とはタイ語でワニの意味 - 営業時間:8時〜18時
- 定休日:なし
- 料金:大人300B 子供200B(外国人料金)
アユタヤ・エレファント・キャンプで象乗り体験
少し足を伸ばして、バンコクから車で1時間半の場所にある、世界遺産「アユタヤ」の歴史公園内でも「アユタヤ・エレファント・キャンプ」があります。
料金は15分400Bで象に乗りながら「ワット・プララーム」遺跡を見学する事が出来ます。
半日から1日がかりとなりますが、アユタヤ行きは、バンコク発の「寺院巡りと象乗り体験」がセットになったオプショナルツアーも複数用意されていますので、そちらを利用されると安心です。
タイ東北部のスリン県では「象祭り」が開催される!
毎年、11月3週目の週末に、タイ東北部のスリン県で200頭以上の象が結集する「象祭り」が開催されます。
スリンという地名も、アユタヤ時代に国王の白象が象舎から逃げ出した際、この地域の象使いが力を合わせて白象を捕らえたことから、国王にその功績が称えられ名付けられています。
この期間、スリンはまさに象一色の街となり、メインストリートでは、小象たちのパレードがあったり、象のタクシーが利用できたりと、街をあげての「象祭り」が開かれます。
メイン会場の「象のスタジアム」では、毎年出し物は変わりますが、象のダンスや、サッカー、バスケット、アユタヤ時代の戦闘シーンを再現したり、象一頭と人間100人の綱引きなどのプログラムが開催され大人気です。
愛嬌たっぷりの象と触れ合おう
いかがでしたか?
タイの象は鼻を使って、観光客にじゃれて甘えてきたり、決めポーズを作ったりと愛嬌たっぷり。
象の背中に乗るとかなりの高さがあり、 のっしのっしと歩かれると、象の歩調に合わせて体が傾き、迫力満点です。
タイに行ったら是非、象との触れ合いを楽しんでみて下さい。