タイシルクブランド「ジム・トンプソン」は、タイシルクの王と言われるアメリカ人、ジム・トンプソンが創設したタイシルクブランドです。
タイ土産の定番とも言われ、男性にはネクタイ、女性にはポーチなどの商品が人気です。
象柄がプリントされた小物や花柄のスカーフなどをガイドブック等で一度は目にされたことがあるかもしれません。
世界中に支店を持つ、タイが誇るタイシルクのトップブランドです。
目次
創設者ジム・トンプソンとは?スパイからシルク王に!
ジム・トンプソンは1945年アメリカ兵(諜報組織CIAの前身であるOSSに所属)としてタイに赴任し、終戦後、オリエンタルホテルの経営に携わりました。
彼は建築、デザイン、染色技術の才能もあり、タイで出会った美しいシルクに魅せられ、すでに廃れかけていたシルク産業の再興に尽力しました。
1948年に「ジム・トンプソン」の前身となる「タイシルク商会」を設立し、研究を重ね欧米人好みのセンスを取り入れ、エキゾチックな芸術品としてタイシルクを完成させました。
1951年にはアメリカのファッション誌「ヴォーグ」への売込みに成功し、映画「王様と私」の衣装に使われ絶賛されたのをきっかけに、世界的に有名になりました。
シルク販売で莫大な財産と名声を手に入れたジム・トンプソンですが、1967年3月にマレーシアでの休暇中に失踪し、彼の足取りは多くの謎に包まれたままとなっています。
ジム・トンプソンの魅力とは?
ジム・トンプソンの商品は、シルクの持つ贅沢な光沢を活かし、調和の取れた美しい色彩で表現されています。
アジアンティックな渋みのある色に上品なゴールドそして赤、青など、そのカラフルな色使いは独特の世界感があり、自然をモチーフにした柄のスカーフ等は絵画のような美しさです。
私はこちらのクッションカバーを購入しましたが、南国の花が描かれたクッションカバーは、華やかで美しく部屋にあるだけでその存在を感じさませす。
なめらかで光沢のあるシルクが、絵柄を浮かび上がらせ上品な輝きを放っています。
店舗はどこにあるの?
現在、タイ国内でも30店舗近くもある「ジム・トンプソン」は、バンコクの本店のほかアウトレット店も好評で、彼が8年間過ごした住居はショップとレストランもあり、人気の観光スポットになっています。
伊勢丹店やエンポリアム店、サイアムパラゴン店など巨大ショッピングモール内に店舗はありますが、中でも訪れて頂きたいおすすめの店舗は、本店とサイアムパラゴン店です。
ジム・トンプソン本店はBTSサラデーン駅、MRTシーロム駅から徒歩5分のところにあります。
2階建ての白亜の建物の1階にはネクタイ、スカーフ、ポーチなどの商品が並び、日本語を話せる店員に相談しながら買い物が出来ます。
2階は洋服、バッグ、インテリア用品が並び、カフェ「Cafe 9」が併設されています 。
ショッピングの合間のひと休みやランチを取るのに活用出来、カフェには「ジム・トンプソン」オリジナルのお菓子(ドライフルーツ、キャンディ、ライスクラッカー、チョコなどの商品)が並べられ、お土産にも最適な可愛いパッケージと本格的なタイフレーバーのするお菓子が観光客に人気のようです。
- 所在地:9 Surawong Road, Bangrak Bangkok 10500
- 営業時間:月~日 9:00~21:00
また、品数は本店よりも少ないですが、私が好きなサイアムパラゴン店は、他の店舗とは少し違った美術館のような雰囲気と、シルクの持つ輝きをより引き立たせるディスプレイがされていて、その美しさを存分に感じながら、極上の品を手にする喜びが味わえます。
お店の横はジム・トンプソンがプロデュースしたレストラン「BOMBYX by Jim Thompson」があり、落ち着いた雰囲気で料理とお茶が楽しめます。
- 所在地:Siam Paragon 991 M35-36 (Main Floor) Rama 1 Road Pathumwan Bangkok
- 営業時間:月~日 9:00~21:00
ジム・トンプソンにはアウトレット店もある!
バンコク郊外のBTSバーンチャーク駅から徒歩7分にある「ジムトンプソン・ファクトリー・セールズ・ソイ・スクンビット93 」(アウトレット店)は、通常価格の30~70%割引の品がぎっしりと並ぶ穴場スポットです。
1~3階は数千種の布地、4階はネクタイ、ポーチ、スカーフ、バッグ、洋服類5階はクッションカバーテーブルセットなどインテリア用品、オリジナルのお菓子が並び、カフェも併設されています。
アウトレット品としてシーズン遅れの商品が並んでいますが、最新のものにこだわるのでなければ、かなりリーズナブルに素敵な商品が手に入ります。
- 所在地: Soi Sukhumvit 93, Khwaeng Bang Chak, Khet Phra Khanong Bangkok 10260
- 営業時間:月~日 9:00~18:00
ジム・トンプソンの家を訪れてみよう。
サイアムスクエアーのすぐ西隣マーブンクローン側にある、国立競技場前の道を北に入っていくと、一番奥に伝統的なタイの高床式の建物が現れます。
すぐ裏にセーンセープ運河が流れるこの場所が、ジム・トンプソンが1959年から8年間過ごした住居です。
創設者ジム・トンプソンがシルクで大成功を収めた後に建てた彼の家は、アユタヤ地方の古民家を移築して建てられた箇所もあるそうで、タイの伝統的なチーク材の木造建築に欧米風のスタイルを融合して作られています。
屋内の様子は?
ジム・トンプソンはタイ、カンボジア、ラオス、ミャンマーなどタイの周辺国の古美術品のコレクターでもあり、玄関はシャンデリアで飾られ、陶器や彫刻、仏像などの貴重なコレクションや書斎の本もほぼ当時のまま展示されています。
客室、寝室、ダイニング、書斎などを見て回ると民族博物館のような素晴らしいコレクションの数々に出会え、古美術品コレクターとしての彼独自のセンスが感じられました。
屋内はガイドツアーでのみ見学出来、写真撮影は禁止ですが、日本語が話せるガイドさんが詳しく説明をしてくれますので、大変分かりやすくじっくり楽しめます。
園内の様子は?
ジムトンプソンが「ジャングル」と呼んでいた庭には、ヤシやバナナなど熱帯の木々が生い茂り、製品のモチーフとして描かれている花も植えられています。
園内では、タイ舞踊が舞われたり、民族衣装に身を包んだタイ人女性の生糸を紡ぐ実演が行われていました。繭から糸を紡ぎ機械のハンドルを回す所作が美しく、シルク作りの繊細な作業を間近で見る事が出来ます。
見所が多いジム・トンプソンの家ですが、洗練されたレストランやショップも併設されており、古民家とはまた違ったモダンな雰囲気も楽しめます。
- 所在地:6/1, 6/2 Soi Kasemsan 2, Rama 1 Road Pathumwan, Bangkok 10330
- 営業時間:月~日 9:00~17:00
タイシルクの名を世に知らしめたジム・トンプソン
タイシルクに魅せられ、一代にして全てを築き上げタイシルクの名を世に知らしめた、ジム・トンプソンの功績は計り知れません。
彼の情熱が感じられるこの魅惑のタイシルクワールドをあなたも覗いてみませんか?