タイを代表する料理、トムヤムクン(辛いエビのスープ)やパッタイ(タイ風焼きそば)には、ライムやタマリンドなどの酸っぱい味付けが欠かせません。
辛いだけではなく、酸っぱさも際立った、タイ料理に使われている、酸味料とその特徴をご紹介いたします。
目次
タイ料理の代表的な酸味料3種類
タイ料理を食べていると、辛い味付けの中にも甘酸っぱさや、柑橘系の香りが漂ってくる事に気が付くと思います。
酸味の素は大きく分けて、タマリンドとマナーオと醸造酢の3種類があり、それぞれ料理ごとに使い分け、違った風味が楽しめます。
タイ料理に酸味と甘みを加える
タマリンド
タマリンドは、干し柿のような甘みと梅のような酸味があるマメ科の植物です。
タイ語で「マカーム」と呼ばれ、完熟した実を水の中でよく揉んで、搾り出した汁を酸味料として使います。
酸味だけでなく、甘さも欲しい時には絶好の調味料で、料理やお菓子にも使い、「パッタイ」の味付けに欠かせない調味料です。
タマリンドは、ペースト状の調味料になったものが店で売られていますが、高級タイ料理店では、手間をかけ、タマリンドから搾り汁を作り、料理に使っている事が多く、高級店ならではのこだわりが見られます。
タイ料理で一番多く使われている酸味料
マナーオ
日本のスダチや、カボスのような柑橘系の果物で、実を切って搾るだけの、タイ料理で一番多く使われている酸味料です。
ライムに似た大きさと味で、甘みは無く、酸っぱすぎず、爽やかな酸味が欲しい時に使います。
マナーオの絞り汁は「ナムマナーオ」と言い、ヤム(酸っぱ辛いサラダ)やスープなどの酸味付けに使われ、タイの代表的なスープ「トムヤムクン」にて無くてはならない酸味料です。
また、マナーオの実を半分に切ったものは、炒飯やパッタイに添えられており、レモンのように搾って、爽やかな風味を楽しみます。
中華系タイ料理を自分好みの味に仕上げる
醸造酢
タイ語で「ナムソム・サーイ・チュー」と呼ばれる醸造酢は、アルコールと水で出来ている為、サラサラとして、無色透明です。
麺類を食べる時など、中華系タイ料理に使う事が多いお酢です。
ラーメンや、あんかけ焼きそばなどの麺類を食べる時に、ナンプラー(魚醤)とナムソムサーイチュー(醸造酢)、唐辛子を入れて、自分好みの味に仕上げます。
もともと赤唐辛子が入っている醸造酢は、「プリック・ナムソム・サーイチュー」と呼ばれ、麺料理の店では、テーブルに備え付けのものが置いてあります。
タイ料理の隠し味
柑橘系の香り付のハーブ
酸味はそれほど強くありませんが、タイ料理によく使われているのが、イネ科の植物「レモングラス」です。
タイ語で「タックライ」と呼ばれ、青い稲のような姿をしていて、茎や葉を薄切りにして料理に加えると、レモンのような強い香りが漂います。
生のままや、乾燥させたものもあり、「トムヤムクン」、「トムカーガイ」に使われています。
レモングラス自体は、固くて食べられませんが、タイ料理の香り付けに欠かせないハーブです。
タイ料理の味わいは酸味料が決め手
いかがでしたか?
酸味付けをすると、辛い、甘い、しょっぱい、酸っぱいが揃った、絶妙なバランスになり、タイ料理の美味しさが、ぐっと引き立ちます。
香り高く、味わい深いタイ料理は、酸味料が重要な役割を果たしていると言えます。
美味しく、良い香りのするタイ料理を食べた時に、どんな調味料が使われているのかを、考えてみるのも楽しいですね。