現在は世界最悪の渋滞を引き起こす地域として知られているバンコクですが、遠くない昔、これらの道は全部水路でした。
今ではとても信じがたいですが、バンコクは高度に水運が発達した水の都だったのです。
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「東洋のベニス」バンコク
バンコクは昔、運河がたくさんあった事から「東洋のベニス」の名で知られていました。
もともとバンコクの人は川沿いに家を建て、全ての家に船着き場があり、会社や店など、どこかに行くときは水上バスか自分の舟をこいで出かけていました。
水上バスに乗るときは、赤い旗を振って水上バスを家の船着き場に寄せてもらっていたそうです。
現在、使われている川もあり、チャオプラヤー川やセンセープ川などのいくつかの運河は通勤、通学、観光等の交通手段として利用されています。
ユニークな都市構造
1862年に国王ラマ4世がバンコクで最初の道路を建設させました。それが今のタノン・チャルーンクルン通りです。※BTSサパーンタクシン駅前の通りです
バンコクでは大通りをタノン、路地をソイと呼び、運河があった場所がタノンになり、枝分かれした川がソイになっています。
ソイは行き止まりのところが多く、通り抜け出来ません。それがバンコクの交通渋滞を深刻にしているようです。
各ソイには番号が付けられていて、大通りを挟んで右側のソイは偶数、左側のソイは奇数と振り分けられ、中心部から郊外に向かう程、その番号が大きくなるのが特徴です。
一部例外的な番号の振られ方もありますが、分かりやすい構造になっています。
タイでは奇数が縁起の良い数字とされていますので、奇数のソイ側の方にお店が多く、道路も拓けて整備されていたり、駅まで同じ距離なのに、偶数、奇数で家賃が1.5倍近く違う場所もありますので驚きます。
現在の交通事情
1893年に初めてバンコクからサムットプラカーン県までのタイの国鉄が開通し、国の発展と共に電車や地下鉄が出来ました。
まだまだ交通インフラの開発は続きます。
今後、2029年までに13路線が開通する予定で、完成予定の路線図は、関東近郊の路線図を見ている様です。
今では、BTS(高架鉄道スカイトレイン)やMRT(地下鉄)ARL(エアポートレールリンク)を利用する人が増え、便利な交通手段として好まれています。
驚くべき事に、BTSとMRTには時刻表がありません。大体の目安で、通勤時間帯は3~5分間隔、それ以外の時間は5~8分間隔で運行されています。
ARLはスワンナープム空港と市内中心部を結ぶ高架鉄道で、20分間隔で運行されています。
その他、路線バス、タクシー、トゥクトゥク(屋根付き三輪バイクタクシー)、ソンテウ(乗合い小型トラック)、バイクタクシーなどがあります。
バンコクの街を歩く
バンコクの街は、駅前に近代的なビルや高級ホテルが立ち並んでいるのが特徴的です。
駅前の古い家屋を全て撤去し、ショッピングセンターを続々と建設していますので、道路を歩く事無く、駅から直結で各施設に移動する事も出来ます。
現在でも建設ラッシュが続き、数カ月で街並みが変わるところもあります。
交通インフラの建設ラッシュがもたらす駅周辺地域の開発により、地価が前年比30%前後上昇する地域が見受けられます。
益々、発展するバンコクに期待を寄せたいところですが、有名屋台が地価の上昇により廃業してしまう事もあるようです。
発展に伴う変化は仕方ないですが、雑然とした街並みもバンコクの魅力の一つ・・・なくなってしまうのはちょっと寂しいですね。